PaperBagLunchbox 新宿タワレコインストアライブ

  14:00〜新宿タワーレコード7Fに、PapaerBagLunchbox のインストアライブに行ってきました。

セットリスト

1、アーバンソウル
2、watching you
3、オレンジ(2011ver.)
4、マイムを踊れ
5、ティコ

感想

 新宿タワーレコードのインストアは、邦楽売り場の片隅で行われるので、アコースティックセットなどで音量を抑えて行われることが多いのですが、今日は結構な爆音で「アーバンソウル」がスタートしました。   「アーバンソウル」は、2010年にPBLのライブを見てきた中で、一番心を掴まれた曲でした。<最高の君はどこへ行った>と客席に向かって笑いながら歌うボーカルの中野さんは今最高に調子が良いんだなあと思いました。綺麗な、どこまでも届きそうな歌声でした。鍵盤の恒松さんは、ショルダーエレキピアニカで浅倉大介ばりにスパークされていました。「愛しているのはあなただけ/愛せないのもあなただけ」という歌詞が胸に沁みます。 

 「watching you」は、2010年2月に初めてライブで聴いて、「これは今までのPBLとは完全に違う曲だ、2010年のPBLはまじやばい」と思った曲です。荒野に花を咲かせるような曲だ、と思ったことを今でも覚えています。今日のライブで改めて思ったのは、この曲の伊藤さんのドラムというのは、物語をつくる、道をつくるドラムだということです。そして歌とぴたっと寄り添い、前へ前へひっぱるのです。この曲のドラムを聴くと泣きそうになるのは、物語の中で登場人物に感情移入するのと同じ原理なのかもしれません。

 3曲目「オレンジ(2011ver.)」では「ラ、ラ、ララ」のところをお客さんもみんなで一緒に歌ったり、中野さんが「レジにいる店員さんもー!」「買い物に来たお客さんもー!」と言ったり、とても楽しい雰囲気でした。中野さんは今、世界と真っ向から対峙していて、目にうつるすべての人を巻き込んでいこうとしているんだなあと思いました。それは確かに5年前、4年前とは違う姿でした。私はこの5年間、色々な場面で「オレンジ」の<楽しいだけなんて嘘だろ/さびしいだけなんて嘘だろ>というフレーズに支えられてきました。でも、このフレーズの2011ver.は、今までよりもっと説得力が増し、聴いた人を底から抱き上げるような力強さを感じました。

 続く「マイムを踊れ」ではフロアの真ん中にお立ち台が登場し、そこに中野さんが立って、まわりをぐるりとお客さんが囲む形で歌っていました。途中で恒松さん、タンバリンを持った伊藤さんもお立ち台に来て、お客さんはみんなで手拍子。そこから恒松さんがステージに戻ってシンセをガシャーンと弾いた瞬間がすごくよかったです。この曲はステージにひとり残って演奏し続けていた倉地さんのベースが、こんなに踊りたくなる曲にしているのだなあということに気づきました。3rdアルバム『Ground Disco』はこの「マイムを踊れ」という曲が入っているということが、今のPBLがいかに何でもできる身体性の高いバンドであるかを物語っていると思います。

 ラストは「ティコ」。この曲は2ndアルバム『Lost&Found』に収録されていて、私は2008〜2009年あたりにライブでよく演奏されているのを見ていました。その時の印象は、「ちょっと悲しい曲だな」という感じでした。今日久しぶりにライブで聴いた「ティコ」は、その時とはちょっと違って、とても穏やかで、包みこむような感じがしました。冬に紅茶を飲むような、心がゆっくり満たされていく曲になっていました。
 全5曲と短いライブでしたが、充実した楽しいライブで、大満足でした。たくさんたくさん曲を演奏するであろう、3月のワンマンが今からとても楽しみです。きっと今のPBLならまた新しい景色やたくさんの暖かい気持ちを届けてくれるんじゃないかと思っています。

Ground Disco

Ground Disco