■ 蒼い魚／七尾旅人
七尾旅人さんのことを知ったのは、ART-SCHOOLがきっかけだった。2003年の KINOSHITA NIGHT に旅人さんが出ていて、そこで初めてライブを見た。こんな風に歌を歌う人がいるんだ、とすごく衝撃を受けた。それからCDを買い漁った。
「蒼い魚」は 2018年リリースの「Stray Dogs」に入っているんだけど、ここ最近またよく聴いている。
旅人さんが震災からしばらく経った日にどこかで言っていたことが今でも忘れられない。
「誰も近寄ろうとしないドブ川がある。そこには戦闘機も来ない。政治家もメディアも来ない。ミュージシャンもボランティアも来ない。オーガニックな格好をした若者も来ない。物語や音楽の題材になることもない。ただ醜い人間がいて絶望している。」
たぶん、旅人さんは、孤立している醜い人間のことを歌っている。こんなにも美しく。
