20110831

酸素と水素が反乱を起こしているかのような湿度。ナカノさんの歌を聴きに行った。立って、アコースティックギターをかなりハイポジションでかまえ歌うスタイル。今までのナカノさんは、声の魅力がすごすぎて、つい「もう声がほんとすごいんだってまじで」という点に私の感想が終始してしまうこともあったが、今日のライブはむしろ「歌唄い」としての輝きが際立って見えた。最初の曲を聴いているときに、ナカノさんの歌う一節一節が、歌い終わると心にポンと落ちて宝石になるような感じがした。ギターの音はクリーンで、歌は丹念に磨き上げられた石のようだった。2曲目を聴いているときは、今までにはなかった「厳しさ」という要素が加わっているのを感じた。あの圧倒的な鍵盤の音に身を委ねているナカノさんではなかった。一人で様々なものをコントロールしているんじゃないかなと思った。最後の曲は確か「メランコリック」という曲で、お客さんに手拍子を促し、最後はギターを置いて、手拍子のみの中アカペラで歌いあげた。「歌」のみ、その「歌」はものすごい強度で一つの作品として燦然と存在していた。本当にすごくすごくすごくよかったので、多少無理しても見に行った方がいいんではないかと思います。1stデモ、2ndデモ、オルケスタのCDも買えた。8月最後の日はいい日になった。