20120906

salvage me/cinema staff

<映画みたいに輝いた夕焼けが目に染みたって、夕焼けに責められたって、夕焼けに身を任せて、このまま溶けてしまいたいよ>のメロディーがすごい。どれくらいすごいかっていうと、ミスチルのイノセントワールドの<陽の当たる坂道をのぼるその前にまたどこかで会えるといいなイノセントワールド>並にすごい。口に出すだけで自分を救うことができるメロディーってあるんですよ。私の個人的な心境とかとは全く関係ないところで、時代をバコーンと射抜くようなメロディー。だからこそどうしようもないことが溶けていくようなメロディー。

全部歌詞もすごい「SALVAGE YOU」の中でも、この曲の歌詞は群を抜いてすごいと思う。文字の順番に情景・物語・感情が立ち上がるように書かれている。理屈っぽく言うと、形容詞・副詞があって次に動詞がきて最後に主語が来る、っていうところがある。つまり、人物が、主体が、文の最後で明かされるわけです。これって日本語のひとつの大きな特徴ですよね。英語はたいてい主語が最初に置かれますよね(例:I am Disco.)。で、これってたぶん私たちの思考回路そのものなんじゃないかと思うんですよ。情景があって、動作があって、物語があって、最後が自分なんです。その後にやっと感情なんです。なんかね、飛躍しすぎかもしれませんけど、この曲聴いててそんなこと考えたんです、今日は。それで、日が落ちて、顔を上げた主人公が、<映画みたいに輝いた夕焼けが目に染みたって、夕焼けに責められたって、夕焼けに身を任せて、このまま溶けてしまいたいよ>って言うんですよ。やばいじゃないですか。

SALVAGE YOU

SALVAGE YOU