天地が反転する夜/土井玄臣
<嘘ばかりを思いついて夢の中で舌を出した>って最高だな。ほんの一瞬、重力が消えるみたいで、ああ春だねえ。今日の日差しみたいに柔らかく柔らかい柔らかすぎて猫。日本語が音楽になるなら、桜が咲いて桜が散るような美しさが最強だと思う節があるんだ。「桜の森の満開の下」の文の美しさって異常じゃないかい?
- 作者: 坂口安吾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/10/16
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春はあけぼのというけど、夜と朝の間の曖昧ってことだよなあ。やうやう白くなりゆく山ぎは。つまり境目、境界。天と地、生と死、明と暗が反転する。
ある人は「空をなくす」と言い、ある人は「空はなんて深い落とし穴だ」と言い、ある人は「天地が反転する」と言うんだなー。
「照らす」も「テラス」も、なんか「春」って感じがする。浮かれてもいいし、夢を見てもいいし、殺してもいい。なんてったって春だからね。